「密室黄金時代の殺人|雪の館と六つのトリック」のあらすじと感想【鴨崎暖炉】

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今回紹介するのは鴨崎暖炉さんの「密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック」です。タイトルの「密室黄金時代」というワードが一際目を引き、一体どんな時代なのか気になりませんか?そこで今回は「密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック」のあらすじと感想をまとめました。

こんな人におすすめ

  • ミステリーが好き
  • 密室トリックが好き
  • 初めてミステリーを読む人
目次

本の概要

タイトル密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック
著者鴨崎暖炉
ページ数350ページ
発行日2022/02/04
出版社宝島社

2022年の第20回「このミステリーがすごい!」で文庫グランプリを受賞した作品です。

また、鴨崎暖炉さんのデビュー作でもあります。

密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリックのあらすじ

「密室の不解証明は、現場の不在証明と同等の価値がある」との判例により、現場が密室である限りは無罪であることが担保された日本では、密室殺人事件が激増していた。

そんななか著名なミステリー作家が遺したホテル「雪白館」で、密室殺人が起きた。館に通じる唯一の橋が落とされ、孤立した状況で凶行が繰り返される。

現場はいずれも密室、死体の傍らには奇妙なトランプが残されていて――。

宝島社より引用

密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリックの感想

事件の真相などは伏せていますが、ストーリー展開などのネタバレを含みます。気になる方はご注意ください。

今までに無かった時代設定

3年前日本で初めて密室殺人が発生し、容疑者が逮捕されたところから物語は始まります。

裁判が始まり、検察は現場に残されたあらゆる状況証拠から容疑者が殺人を行ったことは明らかで、密室のトリックは重要ではないと主張していました。

一方、弁護側は日本ではアリバイがあれば必ず無罪になる、それは現場にいなければ犯行が不可能であるからで、現場が密室である以上、「誰もその部屋には入れなかった」=「誰も犯行を及ぶことはできない」と主張していました。

仮に、密室は何とかして作ったんだろうという論拠で容疑者を有罪とするならば、アリバイも何とかして作ったんだろうという根拠で有罪にできてしまうと反論します。

この両者の主張も非常におもしろく感じました。検察側の主張は若干苦しいですが言いたいことは分かりますし、弁護側の主張はよくそんな論理を持ってきたなと感心します。この弁護士さんはすごい仕事のできる人なんだろうなと名前もないモブに妄想を膨らませていました笑

裁判の結果は「密室の不解証明は、現場の不在証明と同等の価値がある」と判決を下します。さらには高裁でも一審の判決を支持し、容疑者は無罪。つまり密室の謎が解けない場合、アリバイがあるのと同じ価値があるという判例を残すことになりました。この一つの判例から日本は密室殺人が急増し、密室黄金時代の幕が上がります

ここまで書いていたのですが、これはまだプロローグで主人公さえまだ登場していません。ですが、この時点でおもしろい時代背景で物語が進んで行くんだなと思い、僕の中では期待が高まっていました。

個人的には実際に日本で密室殺人が発生した場合、同じような判決になるのかが気になります。弁護側の主張には筋が通っているので、もし仮に密室のトリックを暴くことができなければ、この様な世界が本当に生まれてくるのか興味深いです。

密室トリックとキャラの濃い登場人物

主人公の葛白香澄はとある理由で「雪白館」というホテルに泊りに行き、そこで殺人事件が起こります。

そして、この手のミステリーにありがちなホテルに繋がる橋が落ち、クローズドサークルに。第二第三の被害者もでるのですが、そのすべてが密室殺人になっています。

その密室トリックがどれも秀逸でよくできていて、ミステリー好きには堪りません。

事件の内容やトリックについて説明するとネタバレになってしまうため、詳しくは書きませんが、僕は特に2つ目のトリックが好きでした。読んだ後に皆さんがどのトリックが一番好きか聞いてみたいです。

ミステリーが苦手な人やそもそもあまり本を読まない人の中にはミステリーは登場人物が多く、その人がどういった人物なのかごちゃ混ぜになってしまうため苦手という人もいると思います。

しかし、この本で出てくる登場人物は非常に覚えやすいため、ミステリー初心者や本をあまり読まない方にもおすすめです。

例をあげると、探偵の探岡(さぐりおか)やホテルの支配人の詩葉井(しはい)、医師の石川など職業の一部が名前に入っているため、名前を聞けばどの人か一目瞭然になっています。

その他にも、密室殺人が起きた密室を信仰の対象とする宗教団体「暁の塔」の神父である神崎などキャラが濃すぎる人物が登場し、物語が進行していくため、あっという間に読み終えることができます。

ちなみに僕はおもしろくて一気に読んでしまい、翌日寝不足になりました笑

密室黄金時代の殺人が好きな人におすすめの2冊

「むかしむかしあるところに死体がありました」 青柳碧人

この本は一寸法師や鶴の恩返しなど誰もが知っているむかし話にミステリーを交えたものです。

昔話の原型を残しつつ、うまくアレンジを加えた青柳碧人さんの手腕には驚かされました。

「アリバイ崩し承ります」大山誠一郎

こちらはアリバイトリックを主軸に置いたミステリーで連作短編になっています。

非常に読みやすいため、ミステリーが苦手な人にもおすすめできる1冊です。。

まとめ

今回は鴨崎暖炉さんの「密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック」の感想とあらすじをまとめました。

個人的には密室黄金時代という斬新な設定がお気に入りで、今年読んだ中でもかなり評価の高い作品です。また、ミステリー好きはもちろん、それ以外の方にも読みやすい本ですので、よろしければぜひ一度手に取って頂けますと幸いです。

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