「万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ」のあらすじと感想【松岡圭祐】

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今回紹介するのは松岡圭祐さんの「万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ」です。あらゆる分野に精通し、どんなものでも鑑定できる凜田莉子が事件の謎を解く物語。人が死なないミステリーなので、殺人事件など人が傷つく描写が苦手な人も読みやすいミステリーだと思います。

そんな松岡圭祐さんの「万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ」のあらすじと感想をまとめ、また、この本が好きな人におすすめの本も紹介します!

こんな人におすすめ

  • ミステリーが好きな人
  • 女性が活躍するストーリーが好きな人
  • 雑学が好きな人
目次

本の概要

タイトル:万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ

タイトル万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ
著者松岡圭祐
ページ数275ページ
発売日2010/04/24
出版社KADOKAWA

「万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ」は松岡圭祐さんのQシリーズの第1巻です。

Qシリーズは2014年に映画化されており、主人公の凜田莉子を綾瀬はるかさんが演じたことでも話題になりました。

松岡圭祐さんは他にも多くの著作があり、「探偵の探偵」や「高校事変」、最近では「écriture 新人作家・杉浦李奈の推論」が発表されています。

「万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ」のあらすじ

東京23区を侵食していく不気味な“力士シール”。誰が、何のために貼ったのか? 謎を追う若き週刊誌記者・小笠原は、猫のように鋭く魅惑的な瞳を持つ美女と出会う。凜田莉子、23歳──瞬時に万物の真価・真贋・真相を見破る「万能鑑定士」だ。信じられないほどの天然キャラで劣等生だった莉子は、いつどこで広範な専門知識と観察眼を身につけたのか。稀代の頭脳派ヒロインが日本を変える! 書き下ろしシリーズ第1弾!!

KADOKAWAより引用

「万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ」の感想と魅力

事件の真相などは伏せていますが、一部ストーリー展開などの軽度のネタバレを含みます。気になる方はご注意ください。

些細な事件から始まる

誰が何のために始めたのか、東京23区の至るところに力士シールと呼ばれる力士の顔のシールが貼られていました。週刊誌記者の小笠原がそれを記事にしようと力士シールを莉子の元に持ち込んだことから物語は始まります。

その縁がきっかけで小笠原が莉子の元へ記事のネタになりそうな事件を持ち込むようになりました。最初はただのいたずらみたいな些細な事件が、話が進むにつれ大きな事件に繋がります。

そして、その事件も解決したと思いきやエピローグで日本を揺るがす特大の事件が発生していました。

なぜそのようなことになったのか、僕も最初に読んだときは混乱しました。

正直、落丁でもしているのではないかと疑ったほどです。

それほど、今まで起きた事件との繋がりが分からず、その真相を知りたくてすぐに二巻を読み始めました。「万能鑑定士Qの事件簿」は基本的に一巻で一つの事件が解決しますが、一巻と二巻だけは続きものになっています。

しかし、1冊が270ページ程度と読みやすく、ストーリーの展開もおもしろく先が気になるため、すぐに読み終わること間違いなしだと思います。

23歳の万能鑑定士?

主人公の凜田莉子は都内の雑居ビルに小さな事務所を構えており、その屋号こそ「万能鑑定士Q」でした。莉子は23歳という若さにして、絵画や陶器、古銭などあらゆるものが鑑定できるまさに、万能鑑定士です。

例えば、ヴィクトリア朝のイギリス人家族とフランス人の友人が食事をしている絵画の鑑定依頼に対して、最新の機器による分析で当時の年代のものであると結果が出ていましたが、莉子はその絵画に対して贋作であるという判断を下します。

彼女は絵画に描かれている本当に些細な人物や食事の様子、家具の配置などがその時代にそぐわないことからその絵画が巧妙に偽装されたものだと見抜きました。

莉子が鑑定する過程でその根拠となる知識を披露してくれるのが、この「万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ」のおもしろいところの一つだと思います。

例に挙げた絵画で言うと、フランス人が角砂糖4つ欲しいと親指を曲げて4を表現しているのですが、フランス人が4を指で表すとき、親指ではなく小指を曲げるそうです。

また、ソーセージの切れ込みが入っている向きが逆だと指摘します。

切れ込みを入れる習慣は当時のイギリスでも火が通りやすくするためにありましたが、左上から右下に切れ込みを入れるのは日本人の工夫でお箸で取りやすくするためでした。

このことからこの絵は日本人が描いたことまで突き止めます。

このような雑学やうんちくが物語の中で時々登場し、読むたびに感心し、自分が一つ賢くなった気になる小説でもあります笑

莉子の成長

莉子は昔から賢かったわけではなく、むしろ高校卒業するまではアホの子でした。

地元の沖縄の高校における成績は5段階評価で体育、美術、音楽以外はオール1。卒業できることが奇跡です。

水商売と聞いて、ミネラルウォーターを売る仕事と思っていたほどに常識もありません。

莉子の過去編を読んでいたとき、万能鑑定士としての莉子とのギャップに登場人物の名前が間違っているんじゃないかと思ったほどです。

何をどう頑張ってもたった5年でここまで成長するのか?何か必死で努力せざるを得なくなる凄惨な出来事でもあったんだろうか?と疑問は尽きませんでした。

そんな彼女が東京で働きたいという思いで上京し、偶然チープグッズというリサイクルショップで働くことになったのが莉子にとって大きな転換点になります。

就職先の店長が根っからの善人で、莉子にあった勉強方法を教えてくれたことでメキメキと知識を身に着け成長していく様は、まさにシンデレラストーリーです。

読んでいて非常に心地よく、それでいておもしろい場面でした。

「万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ」が好きな人におすすめの本

「紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人」 歌田年

どんな紙でも見分けることができる男、渡部のもとに一件の依頼が舞い込むことから始まるミステリー。

紙にまつわるうんちくが盛りだくさんで、「万能鑑定士Qの事件簿」が好きな人には絶対刺さると思います。

また、単行本では作中で出てくる様々な紙の種類が実際に本に使われているため、電子書籍や文庫も良いですが、ぜひ単行本で読んで見てほしい一冊です。

「ビブリア古書堂の事件手帖 栞子さんと奇妙な客人たち」 三上延

古本屋「ビブリア古書堂」を舞台にした人の死なないミステリー。

店主が女性で、膨大な古書にまつわる知識を持っているなど「万能鑑定士Qの事件簿」の主人公、莉子と多くの共通点があります。

本に関係する話題が多く登場するので、本が好きな人におすすめの一冊です。

まとめ

今回は松岡圭祐さんの「万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ」のあらすじと感想をまとめ、また、この本が好きな人におすすめの本を紹介させて頂きました。

主人公の凜田莉子が魅力的なキャラクターで、すぐ物語にのめり込んで行くことができました。

作中で披露されるうんちくも多岐にわたり、知らないことや自分が知らない世界の話を聞けて、非常にためになりました。

知らないことを知る楽しさをこの「万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ」から改めて教えられた気がします。知識欲が強い人にはぜひ読んでほしい一冊です。

この記事を読んで皆さんが「万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ」を手に取って頂くきっかけになれば幸いです。

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